豊岡吹奏楽団

三度の飯より楽器好き!

2004年

練習日誌 11月13日(土)

・戦務帳を書くのも何日ぶりだろう…。とてもとても長い時日がたったような気がする。10月20日に通過した台風23号により、豊岡はもとより但馬各地の町々が甚大な被害を受けた。豊岡市民会館は地下部分が浸水、加えて暴風によって屋根がめくれあがりステージ・客席ともに水びたし。豊吹の練習会場である豊岡小学校は避難場になった。豊吹のメンバーも何人か、自宅が床下・床上浸水の被害にあった。このような状況に直面したとき、人間はあもりにも非力だ。押し寄せる水に何もできなかった。電気も水道もストップした真っ暗な家に一人でいたあの夜、いろんな考えが頭に浮かんでは消えたが、音楽のできる生活というのは「当たり前のもの」ではないと思った。衣食住の整った環境、恵まれた状況の中で始めて可能になるものだと思い、そのような環境下で今まで疑問もなく暮らしていられたことにありがたみを感じた。と同時にとても情けなかった。「吹ける」というだけで嬉しい気持ちを持てたはずだ。楽器を始めた頃には持っていたその感覚を、いつの間にかなくしてシンドイだのダルイだの不平タラタラ人間になってしまっていなかったか。今度楽器を吹くときは万感の感謝を込めて吹こう。…こんな気持ちが、10月20日の私個人の頭の中には渦巻いていた。えーんえーんダンナの車、走行中に沈没させちゃったよー、と反省しながら。…ごめんなさい。
・10月20日の昼間、私は9月末から溜めていた戦務帳を図書館で書き上げていた。しかし、発表するタイミングをなくしてしまった。あああ。
・11月20日に予定していた定演ももちろん中止となった。申し訳ございません。中止するに当たって後援団体やスポンサーの方々へのご挨拶やらポスターはがし、中止案内状の送付など、やることいっぱいあったので、10月30日(土)に臨時役員会が急遽行われた。会場は営業再開したトマ○ニ。今後やらなければいけないことを一通り話し合って分担を決めた。その後、誰からともなく「自分の10月20日の行動」をしゃべりだして、被災状況報告大会になった。ひざまである水の中を歩いて家に帰る途中、流れに負けそうになって電信柱にしがみついとったっていう人や、道路が冠水して帰れず出石病院に避難してロビーで一晩過ごしたって人もいれば、暴風豪雨の中を土嚢つみに行ってたっていう人もいた。皆、えらい目にあったね…。でも床上浸水した人に比べたらかわいいものだよね。うん…。
・豊吹のことを心配して、メールを下さった和田山ウィンドアンサンブルさん、掲示板にカキコを送って下さったおおやのサックス吹きさん、うちの団員に励まし電話をかけて下さったなんたん吹奏楽団の中尾さん、皆々様ありがとうございました。この戦務帳を見て下さってることを期待して、お礼申し上げます。うれしかったですー。
・しばらく練習はお休みになっていた。重い被害にあった人たちを思うと、すぐ再開というのは気がひけた。でもこないだ、家が2階まで浸水したというメンバーとスーパーでばったり会って立ち話ししたときのこと。こちらは、練習には落ち着いてから来たらええでと言ったけど、「もう今すっごい吹きたいんです!!」という言葉が返ってきた。片付けばかりで気持ちがしんどい、という感じなのだろう。被害にあった人の気分転換にもなるのなら、ぼちぼちとやり始めようか…ということで、11月13日(土)から練習再開いたしました。
・何人集まれるか分からないけど、新しい曲やりたいって思うだろうなぁ。何の楽譜、準備しようかなぁ…。ふっと、この前見た『所さんの笑ってコラえて・吹奏楽の旅スペシャル』を思い出した。『風の舞』やりたい!! 淀工がやってた今年の課題曲だ。ミーハー根性丸出しです。南中の橋本センセにお忙しいとこ無理言ってお借りしました。
・さぁ、練習場へ!! 斎藤団長がカギを開けてセッティングしているところへ、アルト佐野さん、ホルン中井さん登場。クラ民ちゃんも参加。テナーふじおか、フルート松田長老&さっちん高尾、と続々集まる。みんな、なつかしげに挨拶を交わす。
・めいめいロングトーンなどして楽器を暖めていた。私はろう下で音出ししていた。するとガラガラッと入り口が開く音が聞こえる。誰が来たのかな?と振り向くと、なんと!!ユーフォ岩下さん!! 岩下さんの家は1階の天井まで水に浸かったと聞いていた。だから、まだ練習には来られないだろう、と思っていた。だけど…、岩下さん、いつもとかわんないよ、笑顔が。その場のみんな、驚いて喜んで。丸腰(楽器なし)だったので、しばらくおしゃべりしていた。家の状態、片付けの苦労話etc.…。楽器は無事でしたか?「ん?ぷかぷか浮いとったっ」。うわぁ~。「今、車につんであるで」。え?楽器持って来とんなるんですか? この際だから吹きましょうよー。で、楽器取ってきて、いっしょに合奏。もう、岩下さんたら根っから楽器好き。さすが去年のマン・オブ・ザ・イヤー(←吹奏楽祭前日からの激しい腹痛を食あたりだと思い込み、盲腸を破裂させながら見事本番を吹ききった功績により受賞)。
・『風の舞』を吹いた後、『ウィ・アー・オール・アローン』を合奏。久々に吹く人が多いからスローな曲をやった方がいいだろう、と単にそう思って楽譜持ってきたのだが、吹いてる最中、なんかしんみりしてしまった。定演のオーラスで必ず演奏する曲だからなぁ・・・。本当なら今ごろは、本番のためにこの曲を練習してた時期なんだよなぁ。とチョッピリおセンチに吹き終わった。終わったとたんにアルト佐野さんが、「よしっ。定期演奏会、終わりっ」って宣言。わははは、擬似定演!?

練習日誌 9月23日(木) 市民音楽祭

・秋分の日です。市民音楽祭、本番当日がやってまいりました。まえだは音団協役員として朝から市民会館へ。音楽祭のパンフにいろんなチラシをはさむ作業のとき、うちの定演のチラシもお願いしてはさんでもらいました。今年のチラシはユーフォ岩下さんのデザイン。大きな文字、すっきりとしたレイアウト、黒地に白抜きでモノクロ印刷の利点をフルに活用した自信作です。カラーチラシより目立ってました。いっしょに作業していた合唱団コスモスと第九の会の奥様方が、「豊吹さんのチラシかっこええわぁ。デザインはプロに頼みなったの?」と誉めてくださいました。やったね、岩下さん!!
・12時半にリハーサル。合唱メンバーも吹奏楽メンバーも並び終わって、さあ合わせるぞ!! と意気込んだら、「すいませーん、ティンパニまだですぅ」とパーカスさ~やの情けな系の声がした。見ると、某音楽喫茶のマスターM森さんが舞台袖で未だにティンパニのチューニングをやっている。もーっ!! ボーっと待ってるのも時間がもったいないので、B♭音階ロングトーンやったよ。合唱の人たちの前で、ステージの上で。恥ずかしいっ。
・一回通しをした。リハには仕事の都合でこれない人が多く、ペットパートは坂ちゃんだけだったのだが、1本だけでもペットの音が飛びぬけて聞こえる。うーん苦肉の策だ。「坂ちゃん、ベル、楽譜に向けて吹いて」。試しにそう吹いてもらうがあまし変わらず。坂ちゃんの前にホルン廣井ちゃんがいる。「廣井ちゃんの背中に向かって吹け!!」(←「明日に向かって撃て」っぽい語呂) そうするとばっちりいい具合に音量ダウン。おおっぐっどです。ケンジ上坂とたにむらにも、そうしてって伝えてー。
・通しの後、合唱の方たちが少しタイミングとりにくそうにされてた部分を、取り出して練習。30分の持ち時間はあっという間に終わった。それでは本番よろしくおねがいしまーす。合唱の方々の表情から察する限りでは、ブラスの伴奏はおおむね好評のようだ。ほっ、ひと安心。M森さんは「よかったでー」と誉めて下さったが、「思っとったよりキレイな音でびっくりしたわー」とも言われた。…どんなん想像しとったんやろう?
・2時から開演。豊吹のメンバーはトップ4団体の舞台係をつとめまする。その4団体の中に豊岡南中吹奏楽部もいた。南中の生徒さんは礼儀正しいねぇ。ほとんどの子が「こんにちはっ」てスタッフに挨拶してた。それに移動も楽器運搬もてきぱきしてるし。生徒によっては、舞台上でいす出したときに「ありがとうございます」なんて言うんだよ。おばちゃんうれしくなったわ。
・2時半くらいに手が空いて、長い長い待ち時間に入る。本番は6時40分。音出し、チューニング含めても6時に控え室に集合すれば十分だ。観客になって演奏を聴く人、いったん家に帰る人、喫茶店で暇をつぶす人。いろいろいたが、ボーン斎藤さんは「スポンサー回りに行ってきます」。仕事や隣保やPTAで忙しくしてらっしゃる我らが団長は、空いた時間を無駄なく使う。少しゆっくりしてください、団長!!
・再集合したとき、控え室(市民会館リハ室)はごったがえしていた。豊岡市少年少女音楽隊の合唱隊・吹奏楽隊・弦楽隊と豊岡室内合奏団と豊吹の団員が、同時に入っているからだ。私たちの出番は一番最後なので、彼らがステージに移動していくのをなにをするでもなしに待っていた。豊吹のメンバーは小さな音で邪魔にならないように練習していた。がやがやとした雑音の中で『但馬讃歌』の断片がときおり聴こえる。しかし、その中にアラビア音階のメロディが…。はっと振り向くとそこには、必死になって『ラメセスⅡ世』の楽譜をさらうアルトいしぇの姿があった。騒音にまぎれてこそ練(こっそり練習)してるつもりだなこいつ、ばればれなんだよ。と思いながら、声をかけずにそっと見守った。いしぇ、定演の曲の予習がしたい気持ちは分かる。が、『但馬讃歌』の練習もしてくれぃ。
・音楽隊の皆さんたちがステージへ移動して、控え室には豊吹だけになってしまった。すぐ本番だ。ああ緊張。ぱぱぱっとチューニングして、ちょっと練習しよっかなと思ったら、移動時間がきた。ひええ。皆してステージへぞろぞろ移動~ん。舞台袖で待機してる間、室内合奏団の演奏するベトベン『田園』第1楽章を聴く。ほんとは癒される音楽のはずだよ。なのに「本番直前」という特殊状況なのでちっとも楽しめない。ベトベンを聴きながら胃をキリキリさせてるのは私だけ? ホルンせんださんはのんびりと聴いとんなるし。ボーン斎藤さんはいつもどおりのポーカーフェイスだし。
・終わった…。(←えっ!!いきなり?) 相変わらず、振ってるときの私の脳内CPUは何も書き込めないようになっているらしい。どソロを叩く前のさ~やの眉間のしわしわ、構え方もりりしいホルンゴールデンおっさんトリオ、助っ人のテナー福井さんが懸命に休みを数えてる姿、円山川舟歌の前のベース川崎さんとクラりえ蔵の1拍アンサンブル。そんな映像が一枚一枚フラッシュバックして残ってるくらいだ。連続した記憶がありません…。しかし、合唱メンバーの中には「市民音楽祭でこんな感動したのは久しぶりだ」とおっしゃってた方もあったそうだ。お客さんからも大きな拍手がいただけたようだ。よい演奏を作るための共同作業に、豊吹も参加して力を尽くせたことをうれしく思ふ。
・いちんち仕事が終わったーい。さてビールビール。今日はうまいぞー。くふふ。

練習日誌 9月22日(水)

・ついに来たわ、本番前日が。豊岡市音楽団体協議会主催の市民音楽祭。その30回記念行事である『但馬讃歌』の合同演奏のために練習するのも、今日が最後です。私個人としては、音団協の会議などに参加して準備段階から関わってきたので、ちょっち感慨深いものがあったりする。でも、しょーじき疲れた…。『但馬讃歌』級のでかい合唱曲の伴奏をブラスで作り上げるのは、いろいろ神経使います。ホンマにまとまるんやろかー?って夜寝れんかったこともあったしなぁ…。あーでも今となっては全部過去のことや。合同メンバーは皆さん長年の楽器愛好者ばかりで、本番へ向けての集中力の高め方をよく知ってらっしゃった。前日練習の合奏では、ちょこちょこと微調整をしただけで、最後に一回通しをして終了。私の心配は杞憂に終わり、『但馬讃歌』の伴奏はまずまずの形となった。合唱との合わせは明日のリハーサル一回こっきりしかない。そこで合唱の合同メンバーにどう評価されるかが問題。まーでも、ここまでやることやったから、あとはベストを尽くして天命を待つしかないわー。なんかコンクール気分やなー。

練習日誌 9月18日(土)

・今日も『但馬讃歌』の練習に明け暮れる。いい曲なんだが、どんな曲でも“伴奏”というのは気を使うものです。しかも音量を出すとNGなので、とよすい内のパカパカ出したいブラザー達はそうとうストレスがたまってると思われます。んでも、こないだ合唱の方々の練習に参加してきたんだけど、美しく作り上げてらっしゃいましたよ。さすがベテラン集団!!って感じ。我ら支える屋台骨担当としては、ええ仕事せなあかんな、と改めて肝に命じし候。
・本番では日高町吹さんからティンパニをお借りする手はずになっているけれど、今日は土曜で、町吹さんも練習日。近くの豊高さんは明日が本番で、打楽器は前日から会場入りしているのでお借りできない。困ってしまってわんわんわんわん、でワラにもすがる思いで豊小さんにお電話した。そしたら「豊小内で(←豊吹の練習場は豊小)使われるんですか。いいですよ。」と言ってくださった。ああぁ~神さまぁ仏さま近藤センセイさまさまぁー。ありがとございばすぅ。豊小金管バンドのちびっこ達に恥ずかしくないよう、大事に丁寧に使います。
・合奏にはあらたに、豊岡室内合奏団さんからファゴット旗谷さんとオーボエ田中さんが、フリーサウンドさんからボーン古ちゃんが、日高町吹さんからボーン廻さんが、それぞれ参加。合同行事らしくなってきました。
・皆、お仕事で忙しく、フルメンバーがそろって練習することがなかなかできないけれど、だんだんとまとまってきたのではないでしょうか? ああっでも合唱の人が聴くとどう感じられるんだろうか。歌いにくいって思われたらどうしよう。ちょっとドキドキ。

練習日誌 9月11日(土)

・台風、とんでもなかったですね。パーカス貝谷さんのドラムスを皆で運んでるときの話題がそれでした。[神戸で道路が水につかったのはどこらへんだいや? 2国ですよ ああモザイクの近くかいやー] で、エッチな方のモザイク話になっていった。もう。
・もうすぐ市民音楽祭。本格的に『但馬讃歌』の練習をしようと、本番のステージと同じようにイスを並べた。すると並びが変わっただけで、皆の気合の入り具合が違ってきたのが分かる。個人練習のとき、ホルンひろいちゃんが、ラスト近くの高音が出てくる対旋律を一生懸命さらっていた。♪ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん・ぴゅーっぴゅぴゅー(ぴゅ部分が高音)♪ 一回吹いてふーっとため息。首を振る。もう一回♪ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん・ぴゅーっぴゅぴゅー♪ 再びため息、首振り。もう一回♪ぱんぱんぱん(以下略)…。何度も何度もくり返す。がんばれひろい!! 吠えずとも 秋空に鳴るや 高らかに そこまで修行を 積みし君なら
・アルト田中ちゃん、大学の夏休み最後の参加。田中ちゃんの姿を見て、アルトいしぇ叫ぶ。「あ゛ぁぁぁぁー!!」この前、戦務帳を読んだから想像はしていたのだが予想以上に細くなっていてビックリしたらしい。しかし何もそんなにデカ声で叫ばんでも。
・クラの助っ人・こまちゃんが、ただ今6ヶ月の大きなお腹で来てくれた。クラの本数が少ないし、彼女は『但馬讃歌』を10年前の「但馬の祭典」で吹いたことあるから、手伝ってくれることになった。子産みのたいへんな時期にとてもとてもありがたいことです。
・チューニングのとき、ペットの坂ちゃん・たにむら・ケンジ上坂の3人の音が、音程・音色ともに、一度でばっちりブレンドした。美しいっ!! 自己主張しすぎず上手に音の出を譲り合ったって感じか。譲り合いの精神。
・さーて合奏。よっしゃ最初はティンパニソロや、頼むでぇとパーカスさ~やに言ったら「この子には何も言わないでやって。そっとしといてやってぇ。」とめぐに言われた。「言われたら、さ~やさん、オブラディオブラダになってしまうから」。ああ、かの場面再び。うん分かった。言わんぞ。冒頭3小節ティンパニしかないなんて、決して言わんぞ。
・コーラスが♪雪がらすー…♪と歌う部分、伴奏ではトランペットが1st.から順にベルトーンで音を重ねていく。それがものすごく美しくハモる。他のパートの関係があってそこの部分を何回も合わせたのだが、何度やっても美しさは崩れない。音量バランス、アタックの形がそろっている。今日の3人、絶好調だ。ひゅーひゅー。
・一度だけ、こちらが「トロンボーンっ」と特に声に出して合図した部分の“どソロ”で、斎藤さんが落ちた。合奏が止まり皆が、さぁいとぉうさ~ん…、という雰囲気になったとき、いきなり「はっはっはっはっ」と斎藤さんの笑いが響いた。ああっなんて爽やかなの。それ聞いたとたん、ふぅって腰砕けになり、注意しようとした気持ちも失せた。かなわんわ、この団長には。
・今日の練習は『但馬讃歌』一曲だけだったけど、消耗しました。アルトあづあづ、東京ねずみーランドのお土産、ありがとう。からいせんべい、うまかったよ。美味美味。

練習日誌 9月8日(水)

・9月4日(土)は、私、お休みしていました。よって戦務帳は書けませんのよ。
・9月8日(水)の戦務帳です。市民音楽祭が近づいてまいりました。ああ、とうとう『但馬讃歌』をやる本番が来るのね。ごっつ怖い。
・なので『但馬讃歌』を、いつもよりちょっと丁寧にやった。でもね、伴奏ってただでさえ音が抜けてるものなのに、人数が揃わないと何をやってるか見えてきまへんわ。しかーし、弱音はいかーん。手を尽くして出来る限りの練習をするのじゃー。
・クラりえ蔵ちゃんが自動車事故に遭った。そのこと自体は決して笑い事じゃないのだが、彼女の話しっぷりがなんだかおかしくて、聞いてた皆、大爆笑してしまった。「えー、何で笑うんですかぁ。なんか職場でも私がこの話したら、皆笑うんですよー」と、りえ蔵ちゃんはちょっと口を尖らせていた。本人にその気がなくとも、周りの皆を笑わせることができる。これぞ「天然」。どこでも愛される人だと思う。得難いキャラだなぁ。

練習日誌 9月1日(水)

・エリックEMバンドのコンサート、すごかった…。まだ余韻が残っております。前から気になっていたサックス奏者・つづらのあつしさんにも会ってサインもらって握手して、本格的にファンになっちまったみたいだわ。つづらのさんの2ndアルバム冒頭に入っているバッハの『無伴奏チェロソナタ』に魅せられて、早速今日練習しているミーハーな私。つづらのさんってジャズの人なのに、クラシック吹いても、う、美しい…。ボーダーレスな奏者は大好きです。
・廊下で練習していたら、背後から「あのー…」と声をかけられた。見ると、Tシャツ短パンで首から携帯を下げている眼鏡をかけた男の人が立っていた。「古川仁美さん、いらっしゃいますか?」と聞かれたので、ああまだですよ、彼女いつも子どもさんを寝かせてから来るのでだいだい8時頃になると思いますよー、と答えた。その方の服装と雰囲気が見るからに「体育会系」だったので、私は「いしぇ(古川仁美の俗称)のお友達か。スポ小の活動かなんかで来て、会う約束してたのかな」と思っていた。だから、待っていてもらうしかないかな、と思い、自分の練習に戻った。そしたら、いしぇが来てみてびっくり。「打楽器をやってた貝谷さんです」と紹介するではないか。ええぇっ、見学の方だったんですか? それならいしぇが来るまで待ってもらうなんてことせずに、楽器出して叩いてもらってればよかった。ごめんなさいぃ~。ああ、打楽器の人だなんて、ありがたや。豊吹、打楽器でたいへん困っているので、入ってくださるとうれすぃです。

練習日誌 8月28日(土)

・本日、但馬空港フェスティバル当日でーす。わが団にとって、この行事は何かとアクシデントの多い行事。今年は何事もなく無事に終われるかなぁ~?
・がーん。アクシデント第1弾!! フルートさっちん高尾が、原因不明の腹痛により出演不能となってしまった。病院で点滴うけてるらしい。ああ、『与作』のソロの重圧がそんなにも体にこたえたか…(いや,そうじゃないとは思うが)。残念なことにフルートソロ3小節分をカットすることにした。練習したのに悔しいだろうなぁ、さっちん。
・第2弾。ホルンひろいちゃんが集合場所に来ない…。携帯にかけたけど、全然つかまらない。どうしたんだろ。現地に行ってるのかな?ボーン斎藤さんの車がしばし残って待つことにし、その他の車は空港へ向けて出発した。ホントにどうしたんだろ?事故とかじゃなきゃいいけど。
・第3弾。集合場所の駐車場を出たところで、助っ人のドラムス本井さんの車が動かなくなった。「バッテリーが…」。以前さっちんの車を救ってから、ホルン中井さんの車のトランクにはライン(あれなんていうんだっけ?)が積みっぱなしだ。それゆけ中井さん!! おしきた、まかせとけ!! 勇んで助けに行こうとしたとき、「あ、なおりました~」と本井さん。あぁ、よかった。空港フェスの呪いが本井さんにまで振りかかったら、申し訳ないやん。
・現地に着いて、控え室で楽器を出し、音出ししながらしばらく待機。係の人に、スグに司会と打合せしてください、と言われたのでアルト佐野さん&私が舞台袖へ向かった。しかし、待てど暮らせど司会の人の手が空く気配がない。控え室に入らないパーカスめぐ・本井さんとベース川崎さんとでおしゃべりしながら待っていた。あまりに待ち時間が長かったので、舞台裏の草抜きをした。ちょっち世間様の役に立った気分(気分だけ)。
・そんなこんなで、『与作』のカット部分の合奏を控え室でしようと思っていたのに、できなかった。んー? なるようになるわー。
・本日も風強し。楽譜が飛ぶ飛ぶ。そのせいで、クラ民ちゃんが珍しくミスっていた。←ホントにめったにないことなので特記事項である。
・「与作」でやってしまった…。『演歌メドレー』の最初の曲は「津軽海峡冬景色」。その最後の音の伸ばしを切って、「さん、しっ」で「与作」のトランペットの旋律に入る。こういう段取りでねー、ということを口頭で説明しただけで、実際に音を出して確認してはいなかった。本番のとき、指揮者(私)のテンポの示し方があいまいで、ペットの3人(坂ちゃん・ケンジ上坂・谷岡さん)が3人とも出遅れた。うわーしもたー、どうしょうどうしょうー。出てくれ頼むーと、1拍目を3回くらい振った。ようやく念力が通じたのか3人そろって出てくれた。やれやれ。後で聞いたら、ユーフォ岩下さん&山本くんはそれより出遅れてたそうだ。
・パーカスとベースの間では、ひそかに蜂騒ぎが進行。めぐ大騒ぎ。本番中につき小声で大騒ぎ。「あ゛―、川崎さん!! 蜂が!! 蜂がそっちに行きましたよぉー!!」と、教えてあげたが、ベース川崎さんは「うん!! 大丈夫!!」と、めぐの形相とは対照的な平気な顔だったらしい。蜂がブンブン。ベースもブンブン。あそっか、トモダチか。
・終わったー。終わりましたよ。いやー暑かったー。しかし、ひろいちゃんは最後まで来なかった・・・。果敢にもたった一人で吹いていた中井さんが気の毒だった。きっと「えぇ~、日曜じゃなかったんですかぁ」って勘違いしてたんだと思うよ、彼は。
・去年の空港フェスで私たちの記憶に強烈に残っていたことがらがある。浜坂のあいがも米アイスの味である。去年むちゃくちゃ美味しかったので、今年も演奏後に食べようと、女子はけっこう楽しみにしていた。お弁当を食べた後、わいわい言いながらブースヘ行き大勢で食べた。いろんな味があったが、私は米粒入りの「玄米バニラ」をチョイス。すっごい香ばしくって味が濃い!! 普通のバニラを食べていたペット坂ちゃんが、私のをちょっと食べて「あ、ええなぁ。玄米の方がおいしいなぁ」とうらやましがっていた。…はっ、ここは音楽団体のホムペだよね。

練習日誌 8月25日(水)

・本番前です。なのに、どないしょう。みんな忙しいとみえて、出席者数が伸びないわー。合奏できないかと思ったぜ。
・今日はユーフォ山本くんのテンポの不安定な吹き方に、「ちゃんと頭の中のメトロノームを鳴らし続けろ。分かったな!!」と、少し(ホントに「少し」だよっ!)厳しげーな言い方をしてまった。そしたら、山本くん、笑顔で「はいっ!!」って答えてくれた。以前、優しげーな口調で注意したときは浮かない顔だったのに、今日はっきり口調で言ったらスッキリ顔で対応した。そうか、ビシバシされた方が気持ちがいいのか。でわでわ、おねいさんがこれからもっとかわいがってあげやう。…。
・空港の曲を全曲合奏。『ジュピター』の2番クラの楽譜の余分がなかったので、りえ蔵ちゃんが「見せてもらっていいですか?」と、1枚の楽譜を私といっしょに見て吹くことになった。りえ蔵ちゃんが言った、「な、なんか緊張する…」。えー、なんでー? こっちこそ緊張しますぅ。同じ楽譜吹いてたら、私の音程の悪さがバレバレで「ちっ、この人、口ほどでもないな」と思われるかと、ハラハラヒヤヒヤなんですから~。
・以前の営業で『演歌メドレー』をやったとき、「与作」のフルートソロは松田長老が吹いていらっしゃったのだが、この度の空港フェス営業には長老は残念ながら不参加。という訳で、なりはミニだが度胸はあるぞ、さっちん高尾がソロを執りまする。全曲合わせおわった後、もう一回やりたい部分はないかー?と皆に尋ねた。奥ゆかしい彼女は、自分から言葉には出さなかったが、私の3時方向2.5メートルの位置からものすごいオーラを発していた、「ソロの練習がしてぇ!!」と。「もっかい「与作」合わせとこっか?」と水を向けたら、さっちんは満面の笑みをたたえてうんうんうんと首根っこ壊れそうなくらいうなずいた。急に彼女がかわいく思えて、ソロ部分を3回も合奏してしまった。
・斎藤さんが9時ごろ来られた。いつも早い時間に来られる方なので、珍しいですねと話しかけると、「ちょっと遠出していたもので…」とおっしゃって多くは語られなかった。そのときは、出張だったのかな?くらいにしか思わず、それきり尋ねなかった。練習が終わった後、斎藤さんがおもむろに「これ皆で食べて」と差し出されたのは、なんと淡路島のとあるテーマパークのお菓子。えぇっ!!もしや、今日家族旅行に行って、帰ってきてすぐに練習に来られたんですか? 疲れてらっしゃるでしょ? それなら練習お休みされてもいいのにー。こういうとき、斎藤さんはホントに自分からは多くを語らない。決して自分の都合をふりかざすことはなく、公の活動をとても大事にされる。率いてもらっている立場の団員の身からすると、本当にありがたく思う。と同時に、たいしたこともしていないくせに「忙しい忙しい」を口癖にしてしまっている自分を省みて、あまりの志の違いに我が身を情けなく思う。私たちは、すばらしい団長に恵まれて、幸せもんのバンドである

練習日誌 8月21日(土)

・今度の空港フェスの演奏には、フリーサウンドのドラムス本井さんに助っ人をお願いしています(本当にお忙しい方なのに、いつも笑顔で引きうけていただける。神様)。されど、今日は、五荘公民館の毎年の恒例行事、夕涼みコンサートの日。フリーサウンドさんは出演されるので、本井さんは今日の練習に来られないだろうな、と思っていたのですが、なんと本番を終えて豊吹の練習に駆けつけてくださった!! あまりにうれしくって泣きそう。
・行事前の土曜日なので、出席率非常によろし。本井さんのドラムスに乗って、最初にやった『ジュピター』なんかこんなにかっこええ曲だったっけ?って思うくらい、みんなの音が勢いよく前に出てた。ひゅー、本井さん効果―。
・しかしメドレーになると、私のテンポ変化の指示があいまいで、本井さんを困らせてしまった。うう、ごめんなさい。
・とりあえず、曲の流れを確認するために全曲通した後、ちょっと休憩して不安なところをもう一度練習した。休憩明けて皆が席に着いたとき、「ねぇねぇ『百恵メドレー』がめちゃめちゃだったよ。もっかいやろうよ」と言ってくださったのは、ベース川崎さん。川崎さんは、そのベースの技術でバンドのテンポやムードをリードしてくださる。それだけじゃなく、時々こうして「ここできてないよ」というふうに、サラッと、かつズバッと全員の前で指摘してくださる。しかも川崎さんが言うと、ソフトに聞こえる。素直に聞ける。バンドにとって得がたいキャラです。あらゆる意味でキーパーソンですな。